【原画展のお知らせ】



12月5日(土)、大阪・八尾市の図書室〜緒いとぐち〜にて、

絵本『ちぃちゃんの おいしい ぷりん』の原画展&絵本販売会を開催します。


絵本に使用した原画や、制作途中のラフなどを展示します。


原画ならではの水彩のにじみや紙の質感、

ラフから完成までの制作の過程も、

実物で楽しんでいただけたら嬉しいです。


入場無料・お子さま連れ歓迎です。


2026年12月5日(土)12:00〜17:00

※都合により、開催時間が少し変更になりました。

図書室〜緒いとぐち〜 2F

大阪府八尾市小阪合町3-3-19

近鉄河内山本駅から徒歩7分

Instagram: @bibliothek_itoguchi_




5月に新しい絵本『ちぃちゃんのおいしいぷりん』を発売しました。


少しずつ身近なところから、絵本を買っていただいたり、

感想を頂いたりしていて、嬉しいかぎりです。


12月には原画展も開催させていただきます。


今日はこの小さな絵本を作った

想いについて、綴って残しておきたいと思います。




なんでもない 特別な一日


きっかけは、昨年の夏休み。

娘と初めてのぷりんづくりに挑戦したことでした。



ぷりんの材料はとってもシンプル。

たまご、お砂糖、牛乳、あればバニラエッセンス。



おうちでもすぐ作れるのが魅力的です。


が、子どもと一緒にお菓子づくりをするのってとても大変。


材料を混ぜるだけなのに、

牛乳をぼっちゃん、砂糖をざらざらこぼしたり、

卵のカラが入ったり。


キッチンをぐちゃぐちゃにしながら、なんとか完成させました。



ひんやり冷やしたぷりんを2人並んで食べた夏の夕暮れ。


わたしは

「きっと今日一日のこと、死ぬまで忘れないだろう」

とぼんやり考えていました。



「ぷりんづくりのことを絵本にしたい」

と思い始めていたとき、

ちょうどステキなぷりんのお店にも出会いました。


奈良県の「まほろば大仏プリン本舗」というお店です。



このお店、ぷりんがおいしいだけでなく、

お店の外観、内装もぷりんをイメージして作られています。


全体の色味も、ぷりんのクリーム色とカラメル色で統一されていて、

体も心もぷりんの世界に浸れます。


そして、子どもがちょっと遊べるかわいいお庭もあって、

すてきなブランコもあるんです。



ちょうど冬の夕暮れ時に訪れ、

ブランコに乗った娘の背中を押しているとき、


「絵本の最後のシーンは、ブランコにしよう」と思いました。


それほどその時に見た景色は、忘れがたく、美しく、

絵本のワンシーンのようでした。



日々の暮らしの中で、ときどき、


「ああ、今日はなんでもないけれど

ずっと忘れられない特別な1日だった」と

思うときがあります。


ぷりんを作った日も、

ブランコに乗る娘の背中を押した日も、

ありふれた1日にはちがいないけれど、

ずっと心に残りつづける特別な一日。


そんな一日を、忙しい日々の中に埋もれさせず、

ていねいに拾い上げていきたいと思います。




「いつかの今日」をなんどでも味わえるように


今日という一日は、明日には昨日になり、

遠い未来には、“いつかのあの日”になります。


少しずつ時が流れる中で、私たち自身の外側も内側も、

少しずつ変わっていきます。


今この時は、ありふれているようで、二度と訪れない特別な時です。


私が絵本を描きたいと思う根っこには、

「今この瞬間を、空気や匂い、温度、肌触りまで覚えていたい」

という想いがあります。


それらは、いくら写真にとっても、日記に書いても、スケッチをしても、

なかなか全てを残しておくことは難しいものです。


しかし、「ことばと絵」を組み合わせた絵本という表現は、

そういった実体のないその場の「空気」「温度」というものを、

いちばんしっくりと表現できる方法ではないかと思います。


だからこそ、世代を越えて親子に読みつがれているのでしょう。


ページを開き、声に出して読めば、

いつでも“あの頃”に心を連れていってくれる。


絵本という表現は、私たちの記憶や思い出と

深く繋がりあえる表現なのだと思います。


いつか遠い未来、娘が大人になった時、

私はこの絵本をひらいて、

娘が小さかった頃の「いつかの今日」を、

宝物のように取り出す日が来るのでしょう。


そしてこの本を読んだだれかが、

「ぷりん食べたいな」

「つくってみようかな」と思ってくれたら。


誰かの記憶や思い出と深くつながることができたなら。


こんなにうれしいことはないなと思います。



原画展は12/5、1日限りで開催します。

ちょうど絵本の中の季節と同じ、12月の開催。

絵本の世界の温度や肌触りまで体験しに、立ち寄って頂けたら嬉しいです。